たま漢方堂の『健康豆知識~春夏秋冬~』

2008-02-24

Vol.239 ゆ ず

昨日、東京では春一番が吹きました。しかし直後、一転して寒さが押し寄せ、身体もついていくのに大変です。
今年の冬は予想外の寒さ。ひどい「アカギレ」や「かかとのガサガサ」に悩んだ方も多かったのではないでしょうか。春を目前に控え、まだ治らないガサガサにお悩みの方へ、今回は柚子のお話です。

柚子の皮には精油成分が、皮の下の綿状の部分と種にはペプチンが含有され、肌をやさしくいたわってくれます。

柚子の種をグリセリンに漬けると柚子の化粧水ができますが、柚子の果汁以外(皮と綿状の部分と種)を日本酒に2~3日漬け込み、抽出液をガサガサのかかとに塗布しますと、数日間でつるつるになります。

手のアカギレにも効果的で、毎日塗布するとアカギレは数日間で改善します。肌の弱い方は、柚子の皮の下の綿状の部分と種を、弱火で30分間ほど煮たものをつけることを繰り返すと、アカギレはきれいに治ります。

柚子は、丸ごとお風呂に浮かべ、入浴剤として用いたり、化粧水として用いるなど、美肌作りに貢献してくれます。
この他、柚子で作るジャムは大変に風味があるなど、柚子は利用価値の高い果実です。

2007-11-11

Vol.238 疲 労

筋肉疲労によって生産される乳酸は、疲労物質の代名詞として知られてきました。また、激しいスポーツなどで筋肉を使うことで脳内物質のセロトニンが過剰に生産されると疲労を感じるとも言われてきました。
しかし最近、疲労に関しての新たな研究が進み、乳酸は疲労物質ではないと分かり、激しい運動によりセロトニンが増えることもないとの説が有力になっています。

日本経済新聞2007年9月18日夕刊には、「疲れの正体」に関して、大阪市立大学教授・渡辺恭良氏による説明が次のように記載されています。

記事によれば、疲労物質と言われ続けた乳酸は、脳や筋肉の細胞を疲労から早く回復させる重要なエネルギー源であることがわかってきたとのこと。また、激しいスポーツで筋肉を使うことで血液中に遊離したトリプトファンというアミノ酸が脳に取り込まれ、セロトニンが増えるとの説も、実験では、増加ではなく、減少の傾向にあると書かれています。

疲労については、手足の筋肉などが感じているのではなく、手足などを使いすぎたとき、筋肉などの抹消から脳に信号を送り、まず脳で疲労感を感じるのだそう。
肉体を使いすぎたときのだるさなどは、脳が感じた疲労感の警告により、筋肉などの抹消の意欲や行動が低下するからとのことです。

脳には疲労感の回路があり、回路の働きで身体に休めという警告を出すとのこと。その過程は免疫系や内分泌系が絡んでいて複雑です。
例えば、脳に機能低下があった場合に、激しい疲労感に襲われることもあるし、免疫物質のバランスの乱れが病的な疲労感を起こすこともあるそう。

疲労の正体は脳にある、という研究は、まだまだ続くようです。

2007-10-14

Vol.237 疲労物質

観測史上初といわれた暑さにも、また、急に涼しくなった秋風にもめげず、ラジオ体操やウォーキングで健康づくり。当店近くの早朝の川辺は、いつも熱気であふれています。

ウォーキングなどの有酸素運動は、肺の働きが活発になり、酸素の取り込みが良くなるので、疲労しにくい身体作りができます。

運動に必要なエネルギーは、細胞の中にあるミトコンドリアが作り出す「アデノシン三燐酸(ATP)」で、その原料は炭水化物(糖質)です。
血液中の糖分が使われますが、運動を続けるには血糖だけでは不足してしまうので、筋肉や肝臓に貯蔵されるグリコーゲンも使われてATPを生産します。

このときに必要なのが十分な酸素で、酸素の取り込みが不十分だと、エネルギーを生み出す働きが低下し、乳酸などの疲労物質が筋肉中に滞ります。そのため、血液の酸化を招き、筋肉の収縮を阻害し、疲労を感じてしまいます。

エネルギーの生産には十分な酸素が必要なので、普段から心肺機能を高めておけば、エネルギーを生み出しやすい身体になるわけです。

乳酸などの疲労物質は時間が経つと自然に消えます。休息すれば疲労は取れるのですが、血流が悪いと乳酸が消えにくく、疲労感が残ります。

乳酸を早く消す方法としては、クエン酸などの酢の摂取が効果的です。酢は乳酸を炭酸ガスと水に分解して体外に排出するからです。レモンや酢の物、酸味の果物などは疲労回復を高めます。

豚肉や大豆などに多く含まれるビタミンB1も乳酸を溜まりにくくする成分です。バランスのとれた食生活と適度な運動が、疲労をためない身体を作ります。

サプリメントとして、最近テレビや新聞などで取り上げられる「冬虫夏草」というキノコも、疲労回復によいキノコです。成長した冬虫夏草は最近値上がりしていますが、菌糸体で作られた上質の粉末「冬虫夏草の菌糸体」が、入手しやすいお値段で販売され始めました。冬虫夏草は古来より心肺機能を活発にし、酸素を取り込みやすくすることで有名です。

2007-08-21

Vol.236 夏のむくみ

今年の夏は予想以上の暑さですが、冷夏に比べると果物や野菜が美味しいのが救いです。冷やしたスイカやトマト、キュウリに塩をつけて身体に水分を補給すると、思わず夏を実感します。

利尿のつもりでスイカを食べたが、思ったほど尿が出ないという方がいます。
スイカには塩が必要です。スイカなどに含有するカリウムは、塩分のナトリウムと協力しあって、身体の水分濃度を調節するので、スイカには塩をつければ、必要な水分は身体に残し、不要な水分を排泄してくれて、細胞や血液を潤してくれます。

大量の汗が出るほど暑いのに、なぜかむくみやすい夏。
日経ヘルス2007年9月号に、「むくみ」の原因のひとつが、たんぱく質の不足によるものだと記載されています。

記事によれば、「血液中のたんぱく質は、血管にある水分をひきよせて、血管やリンパ管に引き戻す働きがある。たんぱく質が不足すると水分が組織に取り残され、むくみの原因にもなる」とのこと。夏場のたんぱく質は大切です。

たんぱく質といえば、最も多いのが肉類です。しかし、肉類の動物性脂肪が悪玉コレステロールを増やすという難点があります。

その点、枝豆や豆腐などの大豆なら、暑さで疲れている胃腸にもやさしく、夏のたんぱく質の補給に適しています。
大豆は、たんぱく質摂取に加え、食物繊維も豊富なので、便通もよく、疲れた腸の免疫も高めます。

一方、ビールなどの飲酒は、肝臓のたんぱく質合成能力を低下させ、血中のたんぱく質が減少するので、むくみの原因になります。
ビールを飲むときは、枝豆や冷奴でたんぱく質を補給するのがよいとこのことです。

2007-07-25

Vol.235 バナナのポリフェノール

植物は日光を浴びると沢山のポリフェノールを生産します。植物のポリフェノールは、葉や果実などに含まれる渋みや苦味、えぐみなど、美味しさの成分で、美味しい植物ほどポリフェノールなどの含有成分が高いといえます。ポリフェノールはインフルエンザウイルスの侵入を予防し、花粉症の炎症を少なくするなど、健康に役立つことが近年特に注目されています。

ナリンギン、ケルセチン、アントシアニン、カテキン、タンニンなど、ポリフェノールの成分にはいろいろあります。

赤系トマトのポリフェノールは「ナリンゲニンカルコン」といい、抗アレルギーにも有効とのこと。今年はトマトの出来が良いようで、夏が楽しみです。

バナナのポリフェノールについてですが、バナナは皮の色でポリフェノールの含有量が見分けられるとのこと。川に少し緑色が残る程度のバナナが、一番ポリフェノールの含有量が高いとの記事が、日経ヘルス2007年8月号に記載されています。

記事によれば、緑色のバナナを追熟させ、皮の色で4つに分け、それぞれの果肉のポリフェノールを測定したところ、皮が緑色をした黄色のバナナが最も多く、次いで黄色、熟成の進んだものと続き、一番低いのが緑色のバナナでした。一方、バナナの持つ便通改善や脂肪の吸収抑制効果については、緑色の皮のバナナが最も効果が高いと判定されました。バナナは緑色を残した黄色の皮のものが良いようです。
ただ、免疫力を高める働きは、皮に黒い斑点がある完熟のバナナが一番なので、ポリフェノールの含有量のみが大切ともいえないようです。

2007-06-04

Vol.234 女性の更年期

一人でいる時には感じないのに、友人などと話をしていると急に赤面したり汗をかいたりと、女性が閉経が近づく頃にはやっかいな症状に悩まされます。
肩こり、頭痛、不眠、イライラなど、家族に話しても理解してもらえない症状。その原因は、老齢に近づき、若さを保つ女性ホルモンが大きく減少し、その影響で自律神経のバランスが乱れることにあります。

更年期とは、44歳から53歳の期間、すなわち性成熟期の終わりから老年期が始まるまでの移行期のことで、女性なら誰でも、数年間は身体のバランスの乱れに苦しむ時期です。
顔のほてり、のぼせ、頭痛、頭重、多汗、頻尿、腹満便秘、肩こり、動悸、不眠、イライラ等、その日によって症状が変わる愁訴が更年期の特徴で、この愁訴を更年期障害と呼びます。

これら愁訴は人により感じ方が異なります。案外軽くて済む人もいれば、症状がひどくて外出するのが嫌になる人もいます。
だんだんと落ち込んで気持ちが暗くなり、心因性の愁訴になる人もいます。

女性ホルモンは40歳代以降、急激に減少し、閉経後は男性が持つ女性ホルモンより少なくなるといわれます。
一生の間に出る量はティースプーン一杯といわれる、微量な女性ホルモンが若さを支えます。
また、女性ホルモンと自律神経、免疫は互いに関係し合い健康を支えているので、女性ホルモンの減少は自律神経のバランスを崩し、免疫力を弱めます。
更年期はこのような身体の変化の時期です。

女性ホルモンは若さの根源です。
血管を強くする善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす
糖代謝をよくする骨を強くする
動脈硬化を予防する
肌の潤いを保つ
肥満を予防する
物忘れを防ぐ
などに働きます。

更年期は老年期を迎えるための身体の変化です。この時期を境に確実に老年期に突入します。大幅に減少する女性ホルモンのことを考えると、若さを失うことへの恐怖を感じる人もあると思いますし、更年期の愁訴が怖いという人もいます。
しかし、女性ならば誰もが経験することなので、閉経後の身軽さを想像してみるなど、前向きに対処することが賢明です。充実した老年期を迎えるためにも更年期を快適に乗り切る工夫が望まれます。

更年期の対策としては、更年期で失う女性ホルモンの働きを補うサプリメントの摂取や、体調を整えるための漢方薬の服用、気持ちを明るく保つためのウォーキングやサークル活動、代謝をよくするための軽い運動など、各方面からの健康づくりが大切です。
また、そのような早めの対策で体調を整えることが、更年期障害を軽減することにつながります。

サプリメントとしては、
・骨を補強する牡蠣殻のカルシウム
・軟骨や粘膜、じん帯などの原料となるサメ軟骨粒
・若さを保つローヤルゼリー
などがあります。
不定愁訴には一般的に桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、半夏厚朴湯、加味逍遥散などの漢方薬を用います。(注:処方は個人の体質に合わせて行います)

極端なほてりは発汗、動悸などを更年期障害と思っていたら、実は心臓病や甲状腺機能障害だったという例もあるので、症状がひどい人は医師の診断を受ける必要があります。

2007-04-24

Vol.233 東京都初のセラピーロード

新緑の季節になりました。庭の木々、街路樹、川のほとりと何処も若葉が輝いています。
当店から約一時間のところに大木が生い茂る三頭山があります。三頭山の麓は整備された「都民の森」になっており、軽装でも歩けるようウッドチップが敷き詰められています。チップを踏みしめ、ゆるやかな斜面を少し登ると「大滝」に出るなど、四季を通じて人気のある場所です。檜原村はこのあたりを「森林セラピーロード」に申請したと2006年9日8日の西多摩新聞に記載されました。(のち今春認定済み)

この記事によれば、宿泊施設を備えた「森林セラピー基地」と遊歩道中心の「森林セラピーロード」は、健康増進やリハビリ効果が期待できる森林保養地として林野庁などが認定を推進し、(社)国土緑化推進機構が全国から候補地を募り、2005年4月から全国で実験が開始され、当初、基地6ヶ所とロード4ヶ所が認定されました。2006年に候補になったのは15ヶ所で、「都民の森」はこの中に含まれていました。

実験は森林館~三頭山までの約1kmを通行止めにして行なわれ、被験者12名のストレスホルモン・唾液コルチゾールや副交感神経活動などの7項目を測定しました。また、樹木が放散する芳香性物質のフィトンチッドなどを分析する物理実験も行なわれました。
同研究所は、ウッドチップが敷かれていて歩き易い、涼しく針葉樹の巨樹があるなどの理由で「都民の森」を高く評価していたとのことですが、今年2007年3月、予定通り認定され、東京都で初めての森林セラピーロードが誕生しました。
三頭山は、樹木、滝、野草、多種類の小鳥など見所が多く、季節を問わず楽しめる山です。